あるがままに受け入れることを仏教では悟りの境地とし、法爾自然(ほうにじねん)という言葉は、自力を捨ててありのままにまかせることを意味しています。これを邪魔するのが欲であり、私達はエゴで見えている世界を変えようと日々躍起になっていますが、この世を作っている素粒子の世界ではどのような事が起きているのでしょうか?
量子力学の中で、ハイゼンベルグの不確定性原理というものがあります。かいつまんでお伝えすると、
粒子(電子)は、位置か運動量のどちらかを測定(観察)しようとすればするほどもう片方(運動量か位置)が不確実になる。というものなのです。もともと粒は波として存在(量子力学の根本的な考え方)しているので、そもそも広がっていく性質を持っている波は、できる限り多くの可能性を保持する傾向があり、それがエネルギー的に最も安定した状態であると言えます。
つまり、私達は宇宙の一部であり、素粒子で出来ており、この宇宙の真理に従って生きている存在であることを前提とすると、一つの事に固執したり物事を固定化して観察してしまうということは、粒を狭い範囲にとどめてしまう事となり、非常に不安定な状態を保持してしまうということです。
反対に、より多くの可能性を受け入れる状態を保つということは、日常的に起きている奇跡(トンネル効果)をより多く体現できるということになります。宇宙の流れに乗る(=あるがままに受け入れる)と、エネルギーはスムーズに流れ、人生も個々の目的に向かい流れていくと考えることができるのです。
仏教の教えと量子力学の関係は密接であると言えます。
*トンネル効果・・・太陽は中心部で核融合反応を起こしていますが、これは理論的には不可能な事です。これは、原子核が、本来超えられないはずのエネルギー障壁をすり抜けてしまう事で起きていることを言います。毎日太陽が光を放ち私達が恩恵を受けているのはこの奇跡のおかげなのです。